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身体が本来持っている、自然な力へ

身体を新しくつくるのではなく、身体が知っていたことを、思い出す。

私たちの身体には、本来、重力と調和し、無理なく立ち、歩き、動くための力が備わっています。
しかし、長年の生活習慣や緊張、偏った身体の使い方によって、その自然な働きは少しずつ見えにくくなっていきます。

太極整体は、外から身体を形にはめる方法ではありません。
まず最初は、立つこと、動くこと、重力を受け入れることを通して、身体の内側に眠っている本来の状態を呼び覚ましていきます。そして更には、より精密に整っていきながら、自らの素晴らしい性能を思い出していきます。

太極整体とは

太極整体とは—-What is Taikyoku Seitai

太極拳に伝わる身体の原理を、日常の身体へとひらいた整体法です。

「整体」という言葉からは、誰かに身体を整えてもらうことを思い浮かべるかもしれません。

太極整体には、自分一人で行える「清浄法」と、施術を以て行う「栽接法」があります。

しかし、どちらにおいても、太極整体が目指すのは、身体そのものが自ら整っていく状態です。

骨格、重力、呼吸、意(心の働き)、身体内部の内勢。

それらが一つにつながると、身体は自然に整い、本来の完全な状態を思い出してくれます。

その第一歩が、何か特別な運動をすることではなく、ただ、自然に立つことなのです。

立つことを思い出す入り口から、もとの身体を完全に思い出すまでの出口まで、太極整体には多くの整体法が待ち受けています。

身体を読み解く三つの視点—-Three Foundations

身体を読み解く三つの視点—-Three Foundations

人間の身体は、なぜ崩れてしまうのでしょうか。
そして、どうすれば本来の安定した身体を取り戻せるのでしょうか。

太極整体では、その答えを三つの視点から読み解いていきます。


1 中心軸

 人間の身体には、生まれながらに一本の「中心軸」が備わっています。東洋医学では、その中心を貫く重要な流れを衝脈(しょうみゃく)と呼びます。
私たちの身体は、重力によって地球へ引かれています。しかし同時に、天へ向かって自然に伸びる力も持っています。
太極整体では、この二つの力が無理なく調和した状態を大切にします。
まずは身体の中心軸を思い出し、天と地につながる感覚を取り戻すこと。
そこから太極整体は始まります。


2 循環

 中心軸が整うと、その働きは身体全体へと広がっていきます。
まず身体の前面と背面を結ぶ中心の流れが整い、次に腰まわり、そして手足へと全身へ広がっていきます。
東洋医学では、この流れの道筋を経絡(けいらく)、その途中にある重要なポイントを経穴(けいけつ・ツボ)と呼びます。
身体の中を滞りなく巡ることで、動きは自然な円運動となり、身体全体が無理なく一つにつながっていきます。
太極整体では、この生命の働きを「気」と呼んでいます。


3 内勢

 身体全体に巡った「気」は、身体の内側から自然な勢いを生み出します。これを気勢(きせい)と呼びます。
太極拳では、この身体の内側に生まれる勢いを内勢(ないせい)と呼びます。
この内勢は、相反するものを調和させながら、身体を本来の働きへ導いていきます。
呼吸の吸う・吐く。自律神経の働き。心臓の鼓動。細胞の活動。筋肉の緊張と弛緩。などなど
私たちの身体では、あらゆる生命活動が絶えずバランスを取りながら働いています。
身体が本来の状態を思い出し始めると、その働きは互いに助け合いながら高まり、内勢はさらに自然に育っていきます。

姿勢だけを整えるものではありません

姿勢だけを整えるものではありません—Beyond Posture

太極整体は、見た目をまっすぐにするための方法ではなく、 人間の身体が本来持つ働きを、 日常の中で取り戻していくための体系です。

立つ

力んで姿勢を保つのではなく、 骨格と重力によって自然に支えられる身体へ。

歩く

足だけで前へ進まず、 全身が連動して運ばれていく軽やかな歩行へ。

呼吸する

呼吸を操作しすぎるのではなく、 身体がひらくことで自然に深まる呼吸へ。

動く

部分的な筋力に頼らず、 身体全体が一つにつながって動く状態へ。

支える

人を支えるときも自分を支えるときも、 無理な力を使わない身体へ。

休む

動いていないときにも残っている緊張をほどき、 深く休むことのできる身体へ。

すべては、立つことから始まります

The Beginningすべては、立つことから始まります

胸を張る必要はありません。
背筋を無理に伸ばす必要もありません。
身体を正しい形に押し込める必要もありません。

余分な力をほどき、足の裏で地面を感じ、 重力に身体を預けていく。 すると、身体の内側から、 自然な位置関係が静かに戻り始めます。

予備式とは、ただ立っている姿ではありません。 身体が本来の自分を思い出していく、 最初の自己整体です。