太極整体の五つの段階

身体が本来の自分を思い出す五つの段階

太極整体は、一回の施術や一つの運動で完成するものではありません。
人間の身体には、本来思い出していく順序があります。
古くから道家では、この過程を
築基
煉精化気
煉気化神
煉神還虚
還虚合道
という五つの段階で表してきました。
これらは神秘的な修行を意味するものではありません。
人間が本来持っている身体の働きを、一つひとつ思い出していく過程です。
太極整体では、この考え方をもとに、自己整体と栽接法を通して、身体を本来の姿へ導いていきます。


第一段階 築基

本来の基本的な身体を思い出す
最初に整えるのは、人間として最も基本となる身体です。
立つ。
歩く。
呼吸する。
支える。
これらが無理なく自然に行える身体を取り戻していきます。
自己整体でも、この段階までは十分に到達できます。
栽接法は、その状態をより早く、より安定して身体へ定着させるための施術です。


第二段階 煉精化気

身体全体の働きを高める
基礎が整うと、身体全体のつながりがさらに深まっていきます。
筋肉。
関節。
骨格。
神経。
血流。
身体を構成する様々な働きが互いに調和し、本来の身体機能を取り戻していきます。
必要に応じて、さまざまな栽接法を用いながら、身体全体を整えていきます。


第三段階 煉気化神

天地人が調和した身体を思い出す
人間は重力の中で生きています。
同時に、大地から身体を支える力も受けています。
太極整体では、
天・地・人
この三つが調和した身体を思い出していきます。
努力して立つ身体ではなく、自然に立てる身体。
ここから整体は、身体の一部分ではなく、人間全体を整える段階へ入ります。


第四段階 煉神還虚

身体はさらに自由になる
身体はさらに軽く、しなやかに、そして必要なときには力強く働くようになります。
身体そのものが、本来持っている調整機能を十分に発揮し始めます。
日々の導引や套路も、この段階では身体を整える大切な整体となります。


第五段階 還虚合道

本来の身体が自然になる
身体が完全に本来の状態を思い出した段階です。
特別な整体を受け続ける必要はありません。
日々の導引や套路を楽しむだけで、その状態を自然に維持できるようになります。


内丹とは

「内丹」という言葉には、神秘的な印象を持たれる方も少なくありません。
しかし、太極整体でいう内丹とは、そのような特別なものではありません。
身体が本来の働きを思い出すことで、呼吸が深まり、血液循環が整い、自律神経や内分泌系も本来の働きを取り戻していきます。
その結果、人間が本来持っている生命活動が十分に発揮されるようになります。古人は、このような生命力が充実した状態を「内丹」と表現しました。
つまり内丹とは、
特別なものを体内につくることではなく、人間が本来持っている生命力が自然に働いている状態なのです。
太極整体は、その状態へ導くための、合理的な身体文化であり、古くから受け継がれてきた導引文化の一つです。


太極整体が目指すもの

太極整体の目的は、技術を身につけることでも、特別な能力を得ることでもありません。
人間が、本来の自分自身を思い出すこと。
自己整体から始まり、栽接法で施術を受けたりしながら、そして五つの段階を経て、人は少しずつ、本来の身体、本来の生命力、本来の自分自身を思い出していきます。

人間には、まだ思い出していない、本来の身体があります。

それが、太極整体の歩む道なのです。